2020年2月以降、世界的な新型コロナウイルス感染症による経済ショックで、私たちの生活や働き方だけでなく、企業の事業の在り方を半強制的に見直される時代になってきたと言えます。
「これまで通りのやり方では企業の存続は難しい」と多くの事業者が思っているとは思います。
さて、ここでどのような対策や取り組みを行うのかが大事だとは思ってても、誰も経験した事がない時代です。
どう動くのが正解なのかは誰しもが分からない。それでも動こうとしているのは確かです。
今回は、自分のクライアントにも関連する宿泊業(ホテル・旅館)のコロナショック後の対策・新しい取り組みなどを整理してみました。
また、宿泊業関係者の次の一歩を踏み出すための参考になればと思います。
新しい取り組み事例
未来に泊まれる宿泊券
株式会社L&Gグローバルビジネス(日本)
「HOTEL SHE,」などホテルを経営するL&Gグローバルビジネスの代表を務めるホテルプロデューサーの龍崎翔子さんが作った、“今”ホテルの宿泊券を購入することで支援できるプラットフォーム「未来に泊まれる宿泊券」。4月上旬にローンチして、約1ヶ月で100以上の宿泊施設が加盟。
参照:「“未来の予約”がホテル業界の“今”を救う。アフターコロナを見据えた新しい支援のカタチ」(ウォーカープラス)
「貸しオフィス・ビジネス」に参入
ハイアットホテル(アメリカ)
全米各地のホテルの多くが今、「レンタルオフィス・ビジネス」に参入。ハイアットホテルでは、午前8時から午後5時までの「デイ・ユース・オフィス」プランを59ドルで提供。テレワークが今後定着するであろう今後は、オフィススペースの選択肢の一つとして機能させていく可能性がある。
参照:「ホテルがオフィスに? 売上確保のために「奇策」」(ITmediaビジネスONLINE)
シングル1泊2,500円~「コロナに負けるなキャンペーン開催」
アパホテル
アパホテル全ホテルで「新型コロナウイルスに負けるなキャンペーン」を実施。2020年5月10日から6月30日までの期間、シングル1泊1室2,500円からの特別料金で販売。テレワーク等での利用を促す
参照:アパホテル公式サイト
市民が地元の温泉旅館を利用した際に、宿泊料金を半額(上限1万円)
栃木県那須塩原市
那須塩原市が新型コロナウイルス感染症対策として、市内の温泉旅館を利用した際に宿泊料金を半額(上限1万円)にするキャンペーンを実施。休業を強いられた宿泊事業者の救済、市民の自粛疲れによる精神的な負担を軽減することが目的。
参照:新型コロナ 旅館の宿泊料、市民は割引に 那須塩原市/栃木(毎日新聞)
苦境の宿泊施設を支援する「種プロジェクト」
種プロジェクト
東日本大震災で被災した東北地方の宿泊施設を支援するために立ち上げたプロジェクトを富山県氷見市の丹羽尚彦さんが再開。支援先のサポーターになり、将来の宿泊費の一部を前払いする民間の制度。
参照:未来の宿泊費、いま払おう コロナ禍の宿泊施設支援(朝日新聞DIGITAL)
自分が好きな宿を救うプロジェクト『あと宿#あとで宿泊』
株式会社ダイブ、株式会社SAGOJO
新型コロナウイルスの影響を受け、苦境に立っている観光業の支援として収束後に宿泊できるチケットを販売し、部屋代の約8割を先払いで宿にお支払いし、経営難な宿泊施設をサポートするプロジェクトを開始。
参照:自分が好きな宿を救うプロジェクト『あと宿#あとで宿泊』を開始宿へ先払い、新型コロナウイルス終息後いつでも泊まれるチケット販売で支援(PR TIMES)
大浴場貸し切りプラン
伊豆の国市古奈の温泉旅館「おおとり荘」
宿泊者同士の接触を最小限にとどめるための取り組みとして、館内の大浴場を共用時間を除いて40分グループや家族が貸切ることができるプランを用意。
参照:大浴場を貸し切り、温泉旅館がプラン 伊豆の国【新型コロナ】(Yahooニュース)
お土産もの通販サイトを上高地のホテル・旅館・山小屋が共同で開設
上高地の旅館・ホテル・山小屋
上高地の公式ウェブサイト内に、ホテル・旅館・山小屋のお土産ものが揃った共同の特設通販コーナー「おうちでかみこうち」をオープン。上高地に行かないと買えないお土産をオンラインサイトで購入できる。少しでも家で上高地との繋がりを体感できることが狙い。
参照:宿泊営業できない上高地のホテル・旅館・山小屋が、お土産もの通販サイト「おうちでかみこうち」を開設! 今、登山者ができること(YAMAKEI ONLINE)
感染症対策(安全基準)
衛生安全基準となるガイドライン「Safe Stay(セーフ・スティ)」
アメリカン・ホテル&ロッジング協会(AHLA:American Hotel & Lodging Association アメリカ)
ヒルトンなどの大手ホテルグループも所属しているアメリカン・ホテル&ロッジング協会(AHLA:American Hotel & Lodging Association)が、宿泊客、従業員の健康管理、従業員のトレーニング、衛生基準のガイドラインを策定。各ホテルにおいて安全な滞在プロセスを明確化し、業界の衛星安全基準を向上させるための取り組み。
参照:【世界の動きまとめ】世界の観光業が考える、アフターコロナの新しい旅の基準とは? 上海ディズニーランド再開(やまとごころ.JP)
宿泊施設における新型コロナウイルス対応ガイドライン
全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会、日本旅館協会、全日本シティホテル連盟
2020年5月14日に、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会、日本旅館協会、全日本シティホテル連盟が、「宿泊施設における新型コロナウイルス対応ガイドライン(第1版)」を発表。AHLA同様に、細かくガイドラインが策定。
参照:宿泊施設における新型コロナウイルス対応ガイドライン(第1版)(日本旅館協会)