約2ヶ月半、新型コロナウイルス感染症の影響で外出もせずに、家と事務所の往復を自転車でしてるだけの生活を続けている瓦井一輝です。
月の半分は出張していた2月までとは、違った生活をしているので驚きです。
幸いなことに、WEBマーケティングのコンサル事業がメインの弊社は、大きな売り上げダウンもなく、持続化給付金の対象にもならず低空飛行をしてます。倒産廃業や営業もさせてもらえないサービス業をされてる方と比べたら、コロナの影響は少ないと言ってもいいかなと思います。
この2ヶ月半の影響は軽微
無論、この2ヶ月半は新規の発注はほぼゼロに近いですし、既存の顧客からのWEBサイト制作の発注も150万円~200万円前後といったところでしょうか。
このご時世なので、積極的に営業はしないと決めて、ご依頼があった仕事を粛々とこなすことをしています。売上構成比の70%が月額ベースのコンサルティング費用なので、常に売上の土台がある状態ですから解約されない限りは先々の売上は計算できる事業展開をしているわけです。
この2ヶ月半で解約になったのも1件だけ。
その1件も新型コロナウイルスがどうこうなる前から、このまま継続してもコンサルの意味が無いと思ったので、私の方からお断りした形になったもの。
そう考えると、このご時世に固定費を払い続けている既存顧客の皆さんには感謝ですね。
「必要とされている。」と受け取っておきます。
コロナショックの影響は世界恐慌以降で”最悪”
とは言え、この「コロナショック」の経済への影響は計り知れないと言われていますし、アメリカの失業率は世界恐慌以降で最悪の14.7%(2020年4月の雇用統計)と最悪の水準。
日本でもトヨタ自動車が、2021年3月期の営業利益の予測が前期比「8割減」という業績予想されています。
経済スクラップ、いつまで続くのか見通しも立たない状況なわけですね。
「こんなの経験した事がない。」
自分が知っている会社経営者の方が口を揃えて、
「長年、会社経営してきたけど、こんなの経験した事ないわ。経済全部が止まるなんて…。」
と言うほどの未曾有の事態。
でも、自分の周りの経営者の方の中には、「アフターコロナの世界をどう生き抜いていくか」と前向きに捉えて、これまでの常識を一旦リセットして動こうとしている方も少ないですがいらっしゃいます。
こういう人を見てると人間は強いなと思います。案外、スクラップされても、それをビルドしようと努力できるのが人なんですね。
コロナショックを教訓にする
大事なのは、今回の新型コロナウイルス感染症による「コロナショック」が、どのように経済に影響をもたらしたのか?を覚えておいて、今後のビジネスの教訓にするということだと思います。
同じように、ワクチンや特効薬がないウイルスがまた世界中で蔓延する可能性はあるわけですからね。
長々と前置きが長くなってしまいましたが、今回は新型コロナウイルス感染症の流行に伴う各業種の影響度を自分なりに纏めてみました。
①コロナショックで大きく影響を受けた業種、②影響は受けたが持ちこたえられる業種、逆に③ビジネスチャンスが広がった業種、④何も変わらない業種が何だったかを自分自身の独断と偏見で分類してみました。
業種は、日本標準産業分類の大分類で分類。
コロナショックの影響
あくまでも個人的な見解なので、参考程度にしてください。「いやいや、この業種は違うでしょ?」ってのもあると思いますが、ご了承ください。
業種一覧表はこちらから見てくださいね。
(PDF:参照https://www.city.okazaki.lg.jp/1400/1424/1406/p002783_d/fil/gyousyu.pdf)
1.大きく影響を受けた業種
営業停止、売上がほぼゼロになってしまい存続さえ危ぶまれる業種。
製造業
食料品製造業、飲料・たばこ・飼料製造業、繊維工業、木材・木製品製造業、化学工業…と、製造業の分類はかなり中分類が細かいので一括りにするのがどうかとは思いますが。
総合的に見て、原材料や資材を海外に頼っていた製造業は、海外企業が営業停止してしまうことで、作りたくても作れない状況に陥ってしまうのが露呈。ビジネスモデルの改変が求めらています。
卸売業、小売業
アパレルや食料品の販売事業者がこの分類になりますが、当然ながら消費者が出歩かない状況では物が売れない。相当不味い状況であると聞きます。
百貨店も営業できないですからね。首都圏の百貨店が厳しい反面、インターネット通信販売は伸びているのですが、通信販売では補えないほどトータルで見ると大きく売上落しているのが実態。
宿泊業・飲食サービス業
今回一番影響を受けてるのが、宿泊業・飲食サービス業です。
私も利用していたファーストキャビンの倒産に代表されるように、2020年5月13日の時点で、新型コロナウイルスの影響で倒産した企業142社の中で一番多い業種が、ホテルや旅館などのサービス業。最も多く53社。
ほぼ売上はゼロにも拘らず、固定費がひっ迫する業種というのが浮き彫りに。民泊も同様で、1ヶ月に1組も宿泊されないという状況と聞きます。
インバウンドも完全に消えましたし、これからどれだけの企業が倒産するのか。キャッシュがないところは相当厳しいと思います。
運輸業、郵便業
鉄道業、航空運輸業は、今回は壊滅的。新幹線の乗車率も昨年対比で95%以上減、飛行機も欠便したり空港ごと閉鎖したりするなど影響は大きい。国内外の航空会社が相次いで減便を実施したため、大手宅配3社も影響。海外向け荷物の配送もサービス停止が出ているようです。
生活関連サービス業・娯楽業
理容・美容・浴場業などの生活関連サービス業も大きな痛手。生活に必要な業種ということでしたが、営業自粛に追いやられる3密の対象。来店客の足が止まった時に、別の売上を作る手立てが確立できていないのが課題の業界というのがあからさまに。
教育、学習支援業
学習塾もオンライン授業が少しは普及していたものの、まだまだ通塾するスタイルのところは厳しいようです。
実際に、某大手の学習塾ループの会社もコロナの影響で、大きくスタイルの変更を余儀なくされたと聞きます。
2.ギリギリ持ちこたえられる業種
深刻な売上減はあるものの、別の販売方法で数ヶ月は持ちこたえられる業種。
農業・林業
精米や野菜を首都圏の学校に納入している生産者も多大な影響。ニュースではあまり報道されないものの、納入先からの注文キャンセル、価格が暴落してしまう状況。さらに、学校の卒業式などが軒並み中止となり、花の需要が冷え込む。
漁業
農業同様に、外食の落ち込みで飲食店に納入する魚の価格が下落。豊洲市場もドライブスルー方式で魚を販売するなどしてはいるものの根本的な解決にはならず。
建設業
清水建設がコロナ感染者が出たことで一時的に工事を中断したりしたものの、都内では公共工事や建物の建設は継続されていました。ただし、新しい工事発注の見合わせの他、建設資材や住宅設備機器の在庫の逼迫による影響も。社員の健康維持は課題。資材の仕入れができないという問題も発生。
鉱業・採石業・砂利採取業
建設業と連動。
不動産業、物品賃貸業
家賃の支払いはコロナでもあるわけだから、あまり影響ないのでは?と思いがちですが、影響あるようです。
調査は2020年4月1日~4月3日、インターネットで実施。回答者数は175人、回答企業数は138社。
”それによると、新型コロナウイルスによる業務への影響を感じていますか?では、回答者の83%が「影響がある」と答えた。「どちらでもない」は8%、「わからない」は5%、「いいえ」は4%。外出自粛の長期化も懸念される中、不動産業界全体に深刻な影響を及ぼしていると考えられる。”
(引用元:https://suumo.jp/journal/2020/04/14/171975/)
賃貸仲介メインの不動産会社は、来店数の減少、内見数の減少、もちろん契約件数の減少で売上も見込めず。リモートワークはやりやすい職種かもしれませんが、オンライン内見など新しい試みを行う不動産会社も増えてきてはいるものの来店客がそもそもいないので厳しいようです。
医療、福祉
変化がないというよりも、コロナの影響で現場は混乱。歯科医院などの専門分野はかなり厳しいと聞きます
3.ビジネスチャンスが広がった業種
情報通信業
全部ではないですが、我々の業界でも少なからずビジネスチャンスとして動いている人が多いので、今回のコロナの影響でプラスに転じやすい業種ですね。
WEBだけでなく、IT、AI、オンラインを活用しようという動きがありますし、テレワークの普及に伴いSIerは引っ張りだこで特需という話を取引先から聞きます。見積りが間に合わないと。
ただ、生産が追い付かないので何ヶ月待ちというのもあるようです。
一方で苦しいのは、フリーランス。弊社にもフリーランスのデザイナーやコーダー、エンジニアの方からも4月以降、業務提携の問い合わせがほぼ毎日来ています。フリーランスは自由な働き方はできる一方で、固定の顧客を掴んでないフリーランスは厳しいのが現状です。
4.変化がない業種
公務
今回の影響で一番影響を受けないのは、国家公務員・地方公務員でしょう。もちろん、様々な仕事の対応の面で大変なのは間違いないです。
売上という概念は公務員の場合はありませんが、収入という面では大きな変化や先々の精神的な不安は、他の業種と比べれば少ないのは確か。頑張って公務員試験を受けるだけの理由はあります。
公務員の給料を下げろとか言う心無い人も多いですが、有事の時は大変だなと今回のコロナショックで分かりました。
霞が関は、けっこう夜中まで電気がついていたり、通勤の人が多かったですしね。ご苦労様です。
別の感染症が流行した時のために
今は誰しもが初めてのことで、いろんな政府の対応とかに不平不満や責任を押し付けたい気持ちがありますが、いずれまた別の感染症が流行する時は遅かれ早かれあるはずです。
その時に、今回のコロナショックの経験を活かすことが大事だなと個人的には思っています。
「with コロナ」でもあり「with 見えない感染症」
どのように感染症と向き合って、新しいビジネススタイル、ワークスタイル、ライフスタイルを作っていくかを今の自粛期間中に考えるのが楽しかったりしています。
経済が動き出す時に、最初の一歩をどう踏み出すかを今は考えて準備すること。
今自分ができることはそんなところです。
どこかで、今取り組んでいること、考えていることもここで発信できればと思っています。